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2010.10.13 / 自分が一番楽しい自宅企画。
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こんなものを作ってみました。

20110713.jpg








全部布ボンドではっつけただけのこれフェルトでつくる意味あったのかっていう物体←
こんなのを鞄にぶら下げていれば初対面でも判別できるかな、多分。
詳しい服装とかはまた後日メールで回しますね^^

続きからイベントネタSSテオ&ロラン編。
ずーっと下書きのまま放置していたのを書き直したら結局大分違うものが出来あがったよ!←

・テオ編の方は若干流血・グロ表現があるのでご注意ください。
・ほんの少し若干雰囲気だけ鉱さん宅シュアラスターさんとマリーアンナさんをお借りしました。

・ロランの方で、往先さん宅アーデルハイトさんをお借りいたしました。
・それから、名前も出てないけれどきりん。さん宅ラインヴァルトさんもお借りしてます。

・おまけSS的な感じで書いたものが伏字になっていますが、そちらはBL表現があるのでご注意ください。
・こちらでは名前も出てないけれど鉱さん宅トルマリンさんをお借りいたしました。



【テオ】

「最近、やたら金の動きが大きい。どこに流れて行ってるかまでは俺みたいな下っ端には流れて来ねぇけど……多分、近々なにかやらかす気なんだと思う」

そう報告した時、彼の眼に映ったのは怒りでも焦りでも、増してや恐怖でもなくて。

「ほぉ……」

おもちゃを見つけた子供のような、けれど子供と言うにはあまりにも鋭い、喜び。
視線を合わせていられなくて、俺はすぐに足元の床を見つめる事になる。
駄目だ。この人は、陰兎騎士団団長コハクは、怖い。
最早、本能的に震えそうになる足を制するのでいっぱいいっぱいな自分がいっそ滑稽だっての。
無理に明るく心の中でごちても、状況が良くなる筈はない……そりゃそうだよな。

「その『何か』っつーモンの中身を報告すんのがテメェの役割なんじゃねェのか?」

そんなつもりはないのに、ビクリと身体が揺れた。

けれど、叱責は当たり前だ。
こんな中途半端な情報、スパイとして提供するにはあまりにもおざなり。
それでも、これ以上踏み込んで詮索をすれば疑われる可能性があった。
ただでさえ最近は、ヴァリアシオン内でスパイに対する警戒が厳しくなってきている。
今までバレなかったのは、俺自身がヴァリアシオンのスパイだから、それだけだ。

ただ、本当なら……ほんの少しのリスクを負えば、
金が何に使われているのか、それくらいは探ることが出来たのかもしれない。
それが出来なかったのか、しなかったのか、此処に来てしまっている俺にはもう分からなくて。

俺はただ黙って、彼の機嫌が下降しないことを祈るしか出来なかった。
言い訳なんて出来る筈はないし、したところで意味がないのは分かり切ってる。

「……分ぁった、もういい」

ふいに、刺すようだった視線が外されて空気が軽くなる。
顔を上げて目に入って来たのは、彼の大きな背中。
軍師らしき人物と2,3言葉を交わすと、こちらに顔を向ける事すらせずにこう言った。

「その『でけぇ事』が起きる時、どうせこっち(グランシディア)に回されんだろ。適当に報告に来い」

「っ……は、はい!」

「敵国のスパイ」である筈の俺にこんなにあっさり背を向けるのは、
例え俺が襲いかかったところで、倒されないどころか傷一つ受けない自信があるから。
その自信に少しも疑う余地がないことを知っている俺は、ただ肯定の返事をするより他にはない。





そして、それから数週間。
ヴァリアシオンが動き出して、グランシディアの内部を偵察に行けという命を受けた。
こんなところまで予想通りなのか、と、少し……いや結構げんなりしながら、
俺はグランシディアの王都、アルティテュードに向かった。

数日間の貴族街での諜報活動を終えた頃、急になんだか騒がしくなった。
報告に来いと言われたは良いけれど王都に居ない陰兎騎士団の団長に会える訳もなく、
そうするとすぐに帰還するわけにもいかない訳で。
手持無沙汰だったし、詳しい作戦については結局知らずじまいだった俺は、
結局好奇心に負けて下町へと下りた。

目に飛び込んできたのは、普段とはかけ離れた王都。

戦場と化したそこは、俺が知ってる世界なんかじゃなかった。
上空で激しく戦っている騎士達も、地上を掛け回る騎士達も――俺にはもう、どっちがどっちの騎士なのかなんて分からない――本当に人間なのか?
俺は今までずっと、諜報活動しかしてこなくて。
国の裏側なら嫌と言うほど見てきたけれど、まともな戦争なんて見たことはなくて。
5年前だって、戦場に立ったことは一度だってなかった。

ぐちゃり。

頭上から降って来て、嫌な音を立てて「はじけた」それが、数分前まで生きていたであろう人間の頭であることに気付くのに、数秒かかった。

「う、わっ…・…!!」

咄嗟に一歩退いた時、後ろから来たヴァリアシオンの騎士が俺の肩にぶつかった。

「っおい、お前! この国の奴と間違われたら殺されるぞ、とっとと失せろ!」

悪かった、と言う間もなく走り去っていったそいつの背を見ていて、急に背筋が冷えた。
それは、グランシディアの人間だと分かったら全員殺すってことなのか?

スパイである俺に、この国の知り合いなんてほとんどいない。
けれど、何度も往復していれば目に留まる人は当然居て。
貴族の邸宅で出会った同郷の彼らには随分良くしてもらってしまった。
恐怖の対象でしかない陰兎騎士団の中にも、ほんの少しだがまともに話が出来る人がいる。
見ているだけではあったが、他の騎士団の人だってそこそこの人物なら顔を覚えつつある。
帰り際に通る家の窓から見える子供成長を勝手に楽しみにしていたし、
遅くまでやってる酒場から漏れてくる明かりや声に勝手に便乗して良い気分を味わっていた。

それを、全員殺そうって、そういう作戦なのか?

何も文句なんかない筈だ。
俺はどっちの国がどうなろうと、別に構わない。
俺と、汚い路地裏で一緒に成長してきた仲間が生きていける金があればそれでいい筈だ。
それなのに、何でか異常なまでに胸がざわつく。

「……っ……!」

見ていられなくなって、俺はヴァリアシオンへ帰還する方向へと必死で足を動かした。
報告はまた今度、次、来た時で良い。
だって、だって俺は、…………!!
考える事も放棄して、走り出す。

ぐらつきそうになるのは、身体なのか俺の中の「何か」なのか、今はまだ気付きたくない。





(スパイ活動するうちに、気付いたらグランシディアのことも結構好きになってた話)
(コハクは此処まで見越していたのかもしれないしそうでもないかもしれない)

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【ロラン】

敵国の兵士サンがたくさん攻めて来た、と、周囲は酷く慌てていて。
あぁ、これは大変な事態なんデショうね、と、ぼくはなんとなく思いマシた。
この国が滅んだって、彼の国が滅んだって、ぼくには大して意味はありマセん。

ただ、やっぱりこれはグランシディアにとっては大事件なようで。
陰兎騎士団の皆サンが居ない、ついでに王国騎士団の半分も居ない。
そこを攻め込まれたアルティテュードを護ろうと、皆サン躍起になっているようデシた。

なんて言ったところで、近衛騎士団の、それも見習い騎士達が前線に出て戦うことはまずありえマセん。
彼らの仕事は、専ら市民の誘導や騎士本体の後方支援。
そしてぼくの仕事は、市民でも騎士たちでもなく、見習い騎士達を護ること。

一般市民と貴族出身の見習い騎士なら、どちらが優先されるべきか。
それを、「エライ人」は堂々と一言で言ってのけて、ぼくは、そうデスか、といつものように答えただけ。
本当に危ない時に、彼が前線に居る事は多分ないんデショうね、と思いながらそれを見送って。
ただ、普段通りに「お仕事」をこなせば済む筈デシた。

それなのに、目を離した隙に飛び出してしまう人は矢張りいるもので。




「アーデルハイトを発見、呼吸が停止している模様!」

そんな情報が飛び込んで来た時、そして彼女が置かれていた状況を把握した時。
実力に伴わない無茶を愚かだと嘲笑う気持ちと、
彼女らしい必死の行動だったんだなと納得して、何故か少し羨ましいような気持ちが生まれて。

「ぼくが彼女を医務室まで運びマス、ここはお願しマスよ」

表情はいつもの形のままで動かなかったけれど、気付いたらそんな事を言っていマシた。
軽い身体を持ち上げて、彼女を雪姫と呼び可愛がる隊長サンへの連絡を頼む。
不安そうな表情を見せる見習い騎士達に「しっかり頑張って下サイね」と声を掛けて。

彼女が護ろうとしたものには、背を向けて。

踏み出した足が重いような軽いような、なんとも言えない感触。
ほんの少し首をかしげて、ぼくは駆けだしマシた。




(大切なモノの為に動く力。大切なモノを見つける力)
(見習い騎士達には、きっとそういうものが沢山あって)
(指導教官を5年もやっていながら、それに気付くことが出来るようになったのはきっと最近の事)



---(BL表現注意!)------------------------------------------------------------


彼女を無事に送り届けたら、彼の元へ駆けて行っても良いのデショうか?

何かの為にがむしゃらに動く、それを羨ましいと思ったのなら、
ぼくにとっての「何か」は君以外にはあり得ないのデスから。


 

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