ボレロは、昔悪いことをしました。
それを王国騎士団の悪い人（モブ）に知られてしまい、裏でこき使われています。
この状況が辛くて苦しくて、たまに逃げるように酒場で出会う人々のぬくもりを求めました。
その中の一人が、モーリオンさんでした。

黙って甘えさせてくれる彼に甘えながら、ボレロは黙々と『死ぬ』準備を始めます。
悪い夢から逃げる為に。

今から3年ほど後、彼はそれを実行に移しました。
すなわち……戦場で『ボレロの死』を偽装し、誰にも知られずに騎士団を抜けること。

そして、『死』を選んでから新たに一歩踏み出そうとした、その時のこと。















モーリオンさんのおもちちゃんが、ついて来てしまいました。


んで、その後。










初めてＰＣで厚塗りというやつに挑戦したのですが
案の定ぴくしあさんは一時間半弱で行動を停止してくれたので途中です。
多分もう続き描かないからこのまま投下。

この後、二年ほどかけてグランシディア、ヴァリアシオンをまったり旅した後、
彼は再びアルティテュードに帰って来ます。
半ば死に場所を求めていたはずなのに、気付けばいつもの喧騒の中……
リカルドさんの酒場にいついてしまうのは、また別の話。


というわけで、ボレロの『死』とその後の話でした。
ここまで見て下さった方、ありがとうございました。

・なんかプッツンしている荒潮













・怖い話をされた時のアキシャリ。
二秒後には慌てふためいて離れます。













・オフ会落書きの鳳翔とヴァス
（レイさんに催眠術をかけられてしまったようです）
←①　②→













・ホロテキ









・フィズ→ジン様













・ハレー兄とポーラちゃん。
兄ちゃんの複雑な心境。













・囚人ヴァス
「奴の眼を見るな」　「奴の言葉を聞くな」
さもなければ……













・イルとエヴァさんとクルゥさんとルッツさん
１，２年後のお話。
←①　②→













そして、イルは療養のため小隊長職を休職、
エヴァさんが小隊長代理として働くこととなる。
復職の後も前線には出ず、基本的には書類仕事を任され、
エヴァさんと役割を分担しながら生きていくらしい。
元々劣化上司だったから丁度良いとか言わないのそこ。

ルース家は、小さな地方貴族。
今まで騎士を輩出したこともほとんどないような家柄。
一体何で稼いできたのかというと、表向きは地産品。
そして、裏向きでは人材派遣……という名の奴隷商売。

グランシディアにおける奴隷商売が合法か違法かは決まってません。
ただ、グランシディア人の売買は確実にアウト。
グレーゾーンは、他国の人間（例えばヴァリアシオンの捕虜）の売買。
ルース家当主（ヒューガの父）は、証拠が残らないように狡猾に、確実に、
奴隷の売買を繰り返して力をつけて来た。
それを見てきて嫌になった結果、ヒューガは騎士団へ入団し家を出た。


アネーリオ家は首都アルティテュードの貴族街で中心部近くに家を構える超有力貴族。
結構由緒正しい家柄で、評議会に出ていれば『稼ぐ』ための努力なんてする必要はない。
でも、結構評議会以外にも手を出し商売をしている。
かと言って家全体が豪遊しているわけでもない。
では、アネーリオ家は一体何にお金を使っているのか。
それは、奴隷などの不当な扱いを受けている者たちの保護及び社会復帰支援。
当然、奴隷という存在自体があまり褒められたものではないから、
表向きは孤児の保護及び社会復帰ということにして、こっそりと。
（とはいえ、暗黙の了解的なこともあるので知ってる人は知っている）

そんなアネーリオ家の取引相手の一つが、ルース家である。
表向きのクリーンな人材のやりとりも、裏で行われているグレーゾーンな取引も。
本来なら正攻法で、法律的にアウトである売買場を潰す方が良いのだけれど、
証拠自体があまりないことから歯がゆくなって実際奴隷の取引をしてしまったがために
出る所に出ると埃が出るのはアネーリオ家も一緒ということになってしまい
どうにもこうにも身動きが取れなくなってしまったらしい。


イルがヒューガのこと苦手てヒューガがイルのこと嫌いなのはそれとは関係ないのだけれど。
ただ、イルはルース家のことを知っている。
ヒューガは、イルが知っていることを知らない。



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この状況を打開してくれたのがクルゥさん。
ヒューガの家の汚職に気付き、イルやアネーリオ家から話を聞き、証拠を集め、
そうして「交渉」することで奴隷商売から手を引かせてくれた。
ヒューガは、気に食わない人二人にお礼を言うことになった。

「……ありがとう、ございます」

（礼なんぞ言うなら働きで返せ）
（あははははｗｗｗｗｗうっそｗｗｗｗｗめっずらしｗｗｗｗうひぃｗｗｗｗｗｗ）
※アネーリオ家にはきちんとお礼状を書きました。

今年もまた花を買う。
彼と彼女の命日。
とはいっても、お墓に手向ける事はしないで川に流すだけだけれど。
もうどこにもあの人たちはいないのだから。

「お姉さん、……いや失礼、お兄さんですか」

「？」

「誰かのお墓参りで？」

不思議なマスクに眼鏡。
この人は一体誰かしら。

「そう、ね。そんなものよ」

「あぁ、違ったんすか。そんな花を買ってるから、大切な人の墓参りに行くのかと」

失礼、と笑ってマスクと眼鏡を外したその人から、不思議と目を放せない。
彼は手にした花をこちらに向ける。

「でも、行かないっすよね。あんたは酷く怖がっている」

「……急に面白いことを言うのね＾＾」

「そう、面白いでしょう？ 俺も面白い。怖いなら蓋をすれば良いのに花を買う。
どうせ花を買うなら『ちゃんと思い出せばいいのに』、ねぇ？」

「……あなた」

「花を手向ける『相手を想う』のは、大切なことでしょう？」

「……、……ゃめ、」

「おっと失礼、ぶしつけな事をつらつらと。
……そうっすね、お詫びにこの花はあんたにあげますよ。
この花をあげた奴なんて碌なもんじゃない、『忘れてしまうのが吉だ』。それじゃあ俺はこれで＾＾」

そして、彼がどうやって立ち去ったのかわからないまま、気付いたら宿舎に戻って来ていた。

帰っては来たものの、どうにも皆の輪の中に戻る気にはなれなくて。
ふらふらと人気のない方へと歩く。

思い出したくない。
忘れたくない。
わすれちゃいけない。

ぽたり。
ぽたり。

雨じゃないことなんて、自分が一番よく知っていた。















わたし全然成長してないわ。
……だめね。
自嘲しながら止まらない涙をどうしようかと思っていたら、

「あらしおさん、どうしたの？」

ああ、どうしてよりによってこんな時に。

「あらディーテちゃん、ごめんなさい、なんでもないの。大丈夫よ？」

笑えてるわけ、ないじゃない。

「……」

そう、それ以上何も言わずに皆の所へ行って？

なんてありもしないだろうことを望んでもやっぱり無駄で。
静かに近づいてきた彼女は、きっと困った顔をしているのだろうに。

「我慢しなくていいんだよ」

ふわりと温かい手が頬に触れた。

「泣いても、いいんだよ」















思わず見返すと、一生懸命ないつものディーテちゃん。
……泣いてもいいなんて、馬鹿言わないでちょうだい。

「ありがとう。でもね……こんなに幸せで、泣けるわけないじゃない」

気付けば涙は引っ込んで、笑っていることを自覚した。

まだ心配そうにこちらを見ているディーテちゃんが、
ふわふわと頭を撫でてくれていた、と思ったら。

「おー、シオー。　そんなとこでどーし……んー、泣いてたのかぁ？」

「大丈夫ですか？　目が真っ赤……！」

リッカ君とエラトちゃん。
また見つかっちゃったわね。

それから、後から来た二人に散々もみくちゃにされて、
最終的に三人にご飯を奢ってひとまず一件落着。

何だかんだで、リッカ君とエラトちゃんからはお金を貰ちゃったからなんとも言えないんだけど。
それにしても、何がどうしてこうなったのか……なんでだったかしら。




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ヴァスが荒潮を虐めてみたのはただの気まぐれ。
面白そうかな?と思っただけ。歩く害悪。
ヴァスにとっては、誰かを強く想うことは結構催眠術や暗示に似ているもので興味深いらしい。

神里さん、壱宮さん、お子様をお借りさせていただきありがとうございました！