・ラクトゥスさん（日月さん宅）/ラクトゥス（将来的にトラクト）
ゾケルの部下。
着実に仕事をこなしてくれる人材であり、大切な仲間。
何か重たいものを背負っている様子には気付いているが、今のところ深く突っ込む気は無い。
いつでも見守っているから、本当に辛くなったら頼っておいで、と思っているらしい。
「ラクトゥス、そう気負わなくて大丈夫だ……さあ、頑張ろうか」


・グレイブさん（隼水さん宅）/グレイブ
危なっかしすぎる部下。
生き急いでいるというか、使命感に振り回されていると言うか。
戦場で果敢に先陣を切るのは良いけれど、大爆発して「散る」ことにこだわっているのが心配。
何度か注意したことがあるが聞く耳を持ってくれず苦戦している模様。
いつか彼が戦死してしまったら、止められなかった責を負う覚悟だけはしているらしい。
「命がけで戦うことを誇りとするのと、命を散らすことを目指すのでは全く違うと理解しなさい」


・ヤナさん（きりん。さん宅）/ヤナ
ヤナさんが育った孤児院が壊滅した際、生き残っていた彼女を発見。
そして、ヤナさんはそのまましばらくゾケルの孤児院で生活していた。
あまり表情が変わらなかったり自分の事に無頓着な様子をほんのり心配しつつも、
ゆっくりゆっくりヤナさんらしさを取り戻してくれればいいなと温かく見守り中。
結婚式のお膳立てなら任せて下さい←
「ヤナ、今日は良い天気だね……調子はどうだい？」


・ニシキギさん（壱宮さん宅）/ニシキギさん
よく挨拶代わりにナイフを投げられている。
ニシキギさんは避けられると思って投げるし、ゾケルも慣れているから笑顔で避ける。
始めは危ないなあとか文句を言っていたけれど、今はもうそう言うものだと思っているらしい。
ニシキギさんの鬱についても知っており、そんな時には様子を見に行って声を掛けてみたり、
仕事のフォローをしたりしているようだ。
「やぁニシキギさん、今日も良い天気だね（ナイフ避けながら」


・カールさん（黒宮さん宅）/カール殿
若かりし頃のカールさんが小隊長だった時、その部下だったりしたらしい。
今でもなんだかんだ言って仲良しで、二人でのほほんと会話していたりしたい。
ふたりはジジキュアこれは譲らん。
「カール殿、そちらの指導がひと段落したらお茶でもどうだい？」


・オトさん（壱宮さん宅）/オトさん
かわいくしてもらっている。
他の人が可愛くされてるのを見るのも和んで楽しいし、
自分が弄られるのも新鮮でなかなか楽しいんだとか。
「やあオトさん、良く来たね＾＾」


・アキロさん（隼水蒼さん宅）/アキロ
可愛い部下の可愛い部下（分かりにくい）。
ラクトゥスさんを真っすぐ慕っているのが見ていて分かり、見ていて勝手に和んでいる。
自身を尊敬して貰っていることも態度から分かるので、
彼に恥じるようなことは決していてはいけないな、と思っていたりもするらしい。
「次の作戦、ラクトゥス隊にはこちらの防衛を頼もうと思っていてね…彼の補助をしっかりと頼むよ」


・ラファルさん（隼水蒼さん宅）/ラファルさん
部下であるグレイブさん繋がりで知り合い。
グレイブさん、セレストさん三人とセットで昔から見てきており、仲が良いなあと思っている。
うっかりは微笑ましいけれどちょっと困ったものだねえ。
よくセレストさんと喧嘩している（＋グレイブさんがうんざりしている）のを発見しては
しばらく見守って最終的にはなだめていたりするらしい。
「ラファルさん、今日はそのあたりにしておいたらどうだい？（苦笑」


・セレストさん（隼水蒼さん宅）/セレストさん
部下であるグレイブさん繋がりで知り合い。
グレイブさん、ラファルさんと三人セットで昔から見てきており、仲が良いなあと思っている。
厳しいのも良いけれど少し息抜きをしても良いんじゃないかな？
よくラファルさんと喧嘩している（＋グレイブさんがうんざりしている）のを発見しては
しばらく見守って最終的にはなだめていたりするらしい。
「セレストさん、もういいじゃないか（苦笑」


・ハーマタンさん（隼水蒼さん宅）/ハーマタン君
他国出身だけれど騎士として一緒に戦ってくれる青年。
所属も何も一緒ではないけれど、たまに会うと元気に挨拶してくれる。
挨拶がキスであることは、出身国から察しているのでさほど抵抗はなく、
それどころか軽く頬に挨拶を返すことまで笑顔でやってのけます。
「ハーマタン君、こちらの国にはもう慣れたかい？」

・シドーニエさん（黒宮さん宅）/ シドちゃん
5年前軍師になってから、軍師の先輩として慕いつつ突進する日々。
軽くいなされたり、練った作戦に対して「没」と言われて撃沈したりしている。
どちらかというと保守的な作戦を取るシドさんとミュゼは対照的なようだ。
「やっほーうシドちゃん今日もナイスバディだぜっ☆」


・グイードさん（きりん。さん宅）/ぐっちゃん、グイード
平騎士時代に上司の上司だったグイードさんに挨拶に行き、
何度会っても覚えてもらえないことに憤慨しモヒカンにした。
お陰で覚えてもらえました良かったね！
小隊長に昇格してからぐっちゃんと呼び始め、軍師になった今も仲がいい。
一方的に絡んでいるように見えて意外とお互い仲良しらしい。ちょっと見てて不思議。
「ぐっちゃーん作戦立てたんだけど見てみて、どーよこれ！」


★ベルモントさん（日月さん宅）/ベルちゃん
一人でいる所に突撃して構い倒してちょっと懐いて貰えた奇跡の女の子。
軽いからちゃんと食べてるのかどうか心配。表情には乏しいけれど可愛い良い子！
ということで、見つけるたびに抱きあげてみたり肩車しようとしてみたり。
身長差54センチ、年齢差29歳だけどお互いがとても大事なんです。つまりはそういうこと。
始めは「え、いやいやーおれっち待てまて落ち着けってそれはまずいっしょ～……」とか思って
自分にブレーキかけて、娘可愛がるみたいにしてたけどいつの間にか開き直ってた。
ベルちゃんを甘やかすことに全身全霊を傾ける日々。
「ベルちゃんかるっ！！もーちょい肉食えよ肉ー！！甘いモンも大事だぞ！」


・ヴィアンさん（霧夜まれいさん宅）/ヴィアンっち
一緒にしとくとうるさくて敵わないうざったい組☆
二人で大騒ぎしているだけならいいが、結構な確率で他の人に絡みに行く。
ノリとテンションが合うらしくかなり楽しそう。
それに反比例して周りはうんざりしている可能性が高い。
彼らにしか分からない言語で喋っているのではないかと疑われる事多々。
「よーしヴィアンっち、おれっちの勇士見ててくれよなみったんいっきまああぁす！！」


・アイリスさん（隼水さん宅）/アイリスお姉さま、アイリスちゃん
ミュゼが勝手に持ち上げてアイリスさんが微笑んで、というのが通常スタイル。
ヴィアンさんがお姉さま～って呼んでいたのを聞いて便乗してそう呼びだしたらしい。
ただし、たまにふざけたアイリスさんの触手やらヤドリギの種やらの餌食になる。
いいんです、あの美貌の為の糧となるなら…！！
「アイリスお姉さま今日も相変わらず美人だなぁっ！」


・ジェウォンさん（黒宮みそさん宅）/ジェーさん
ジェウォンさんのことを悪趣味～ｗとか言いながら結構普通にお喋りする。
ただ、ベルちゃんの眼が欲しいとか言ってるのを聞くと、
本人イヤって言ってるでしょ～駄目よジェーさん☆とか良いながら笑顔で割り込みます。
話が噛み合ってるようであんま噛み合ってないけどお互い気にしてないようなのでまあいいか。
「お、ジェーさん！今日も眩しい笑顔で世界は平和！ってな☆」


・レグルスさん（天本そあらさん宅）/レグちゃん
愛すべき軍師仲間。
今日も張り切って後ろから脅かしてみたりからかってみたりしては冷やかな反応をされている。
振りまわしてる？　いやいや仲良しなんです。（by ミュゼ）
「レグちゃんレグちゃんほっぺつっかえ棒おおぉぉぉぉぉ！！！！　ってひっかかろーぜそこ！！」


・スピカさん（天本そあらさん宅）/スピっちゃん
陰兎のレグルスさんの所に遊びに来てたのを見て危なくね？って思って声掛けたのが始まり。
レグルスさんの親友ならおれっちの友達っしょ★
「スピっちゃーん今度レグちゃんの可愛いーい写真見せてくれな～！！」


・ロストさん（蒼牙鳶さん宅）／ロストちゃん
ベルちゃんと一緒にいることが多いであろうロストちゃんに構わない訳がなかった←
たまにベルちゃんとの事を尋ねられては嬉々として全力でのろけるらしい。
はじめこそでかい図体と声ともろもろで怖がらせてしまったが、今では慣れてもらっている。
遮らず呆れず最後まで聞いてくれる貴重なお友達。
「おっロストちゃーん元気かぁー！？」


・スギさん（羽鳥鉱夜さん宅）／スギっち
察しの良いスギさんにたまに台詞をとられてぶーたれている。
以前全力で飲ませ酔わせた際にまさかのクロユリさんとご対面したことがある。
その際、彼女に事情を聞いたため実は数少ないスギさんの人格事情について知っている人間らしい。
それでも、態度も何も変わることはないのだが。
「おーいスギっち、それおれっちの！！　おれっちの台詞！！」


・旭さん（瑠璃色さん宅）／あさ君
三馬鹿ロリコン（じゃないと主張する）トリオの一角。
何の縁だかよくわからないけど知り合い、
自分と同じく年齢差、体格差のある相手を想う男同士とよくわからない友情を感じ、
一方的に押しかけては愚痴を言ってみたりお互いのことをロリコン扱いしてみたりと忙しい。
「なぁなぁ聞いてよあさ君！！！！！」


・リウァイスさん（弥市さん宅）／リウェっち
ミュゼを含む三馬鹿ロリコン（ではないと主張する）トリオの一角。
しょっちゅう一緒にいる！　というわけではないけれど、
以前旭さんのところへ入り浸っているところにリーウェさんが訪ねて来て以来
たまに三人でだらだらだべったりしているらしい。突っ込み担当が誰一人としていない。
「リウェっちなに自分だけ関係ないみたいな涼しい顔してんの！！？」


・ディアさん（鉱さん宅）／ディアっち
ミュゼ本人が医療班に行くことはあんまりないけれど、ベルちゃんつながりで医務室に行くと会える人。
ベルちゃんのパパ的存在ということで全く敵う気配がありません。
将来の心配をされつつ、からかわれてるとわかっちゃいるけどいつも全力。
「お義父さまちょっとまっ、待ってまってこの前の作戦まずかったのはわーってるから、いや、そこベルちゃん関係ねーとこだろおぉぉぉおおおお！！？！　ってあぁああお義父さんとか調子のりましたすんませんでしたあぁあ！！」


・アルテミリオさん（瑠璃色さん宅）／ミリーちゃん、ミリー様
ベルちゃんのママ的存在であらせられるミリーさんにミュゼが敵う筈もなかった。
年収はおいくら？とか笑顔で訊かれてひきつるひきつる。
でもベルちゃん大好きなんだものって主張しては笑顔で一蹴される日々。
「そりゃぁおれっちだって軍師ですからそこそこ稼いｄそりゃ小隊長のミリーちゃんには敵わねえけどぉ……」

【詳細設定】

温厚でのんびり屋なような印象を与えるが、実は行動派。
思い付いたら即実行、案ずるより生むが易し。
また、行動に対する結果が早く分かりやすく出るのが好き。
色々なことをやたら簡略化して理解しようとする癖がある。
それ故、勘違いとまでいかなくても微妙なニュアンスの違いをスルーしてしまうことが多々。

分かりやすく効率が良いことが優先され、行動や発言を見ていると結構単純。
無駄は少ないが、なんだか面白味や人間味に欠ける感じ。
そして、笑顔故に見落とされがちだが感情がかなり希薄。
自身が楽しいのか悲しいのかを感じ取るのも下手なら他人の感情を理解するのも下手。
こんな複雑なものみんなよく付き合っていけマスね。



【過去&それによる深層意識】

母親は、コハクによって家族や恋人を殺された『被害者』。
更には仇の子を身ごもってしまう。
精神的にも肉体的にも強過ぎるショックを受けており、
ほとんど我を失ったような状態で周囲の反対を押し切ってロランを生んだ。

そんな生まれだからか、母親以外ロランを肯定的に認めてくれる人がいなかった。
その母親が亡くなった時点で、少なくともロランにとってロランは価値がないモノになった。
心のどこかで、存在してもいい場所を求めている。
だが、本人はそのことを自覚していないし、態度にもまず出ない。

母親が亡くなってから一度コハクに会いに来たが、
完全にスルーされその後貴族に連れて行かれ養子にされる。
始めは見習い騎士として監視下に置かれていたが、
そのうちに戦闘センスが目覚め見習いにしておくには世間体が悪くなり、
半ば無理やり指導教官になったようだ。

・コハク（自宅）/コハクサン、陰兎の団長サン
どうやら父親らしい人。
でも自分に興味がないみたいだから自分にもあんまり意味がない。


★トルマリンさん（羽鳥鉱夜さん）/マリン、トルマリン
愛し方を教えて貰い、その愛を捧げる唯一の人。
甘やかしつつ基本はほのぼのキャッキャしている模様。
たまに、無性に虐めてみたくなるんだとか。
んで泣いてるマリンさんを見て愛している、愛されていることを確認して満足する。
若干Ｓっ気があるロランの未来はどっちだ。
「ずっと一緒デスよ、マリン……」


・ルリナリアさん（壱宮さん宅）/ルリナリアさん
今現在は、マリンさんが懐いている人、という程度の認識だと思われる。
貴族さまで貴族さまらしい振る舞いをしているのに貴族さまらしくない不思議な人。
「あぁ、あなたデスか……マリンならこっちで寝ていマスよ＾＾」

・ベネディクトさん（隼水さん宅）/ベネディクトさん
ベネディクトさんが見習い騎士だった頃に指導教官として普通に接していた。
今は、辛うじてお互いの記憶に残っている程度。
しかし将来、ルリさんから「気にかけてあげて」と言われ、
騎士を辞めたあとのベネディクトさんを彼女の姉たちから守るのに一役買うとか買わないとか。
「こんばんは、ベネディクトさん＾＾　ぼくはこの度、あなたを気にかけることになりマシた＾＾」


・アーデルハイトさん（往先さん宅）/アーデルハイト
見習いのハイジちゃんを指導している。
魔力が低い訳でもどうしようもなく何も出来ない訳でもないのに、
どうして複合すると失敗ばかりになってしまうのかなぁと疑問に思う日々。
氷タイプの魔法を使うということで、たまに個人指導的な事もしていると楽しい。
「うーん……なんで出来ないんデスかねぇ……？　もう一回やってみマショうか＾＾！」


・ランパールさん（隼水さん）/ランパールさん
マリンさんといちゃいちゃしてると怒られる。
怒られても気にしないかな？って思いつつ毎回怒られるのも面倒だし一応聞いておこう。
苦手でも嫌いでもなくて難しいことばっかり気にする人デスねって思ってます。
「あれ、今のも怒られるところデシたか＾＾？」


・アイネさん（羽鳥鉱夜さん宅）/アイネ
マリンさんに懐いている少女。
どうやら母の妹の娘、らしい。
マリンさんは誰の的な意味でライバル視して頂いているようだが気にしていない。
特別に可愛がったりはしないけれど、そこまで無碍にもせずなんとなく流している。
彼女の幸せだった家族のことを聞いたりすると、なんとなくちょっと凹むらしい。
「アハハ、アイネはいつも元気デスねぇ」

・クィンタス（自宅）/クィンタスくん
指導している見習い騎士。
言動行動がかなりおかしいことが多いが、気にしない。
「あぁ、それも何かの"目標"なんデスか？」

テオドールは35歳のおっさんだけど独身です。
とりあえず、好奇心で身を滅ぼしまくっている阿呆なおっさんの半生。



テオの両親は敵国の貧民。
5歳くらいまでは何とか家族一緒に暮らしてきましたが、
食いぶちを減らすために、敵国内のスラム街のような場所に捨てられます。
恐らく、戦争で飢えていた下層民にはよくある話。
その中で、捨てられた子供たちが自衛のために徒党を組むのも、恐らくはよくある話。

当時テオはガリガリでチビだったけれど、
徒党を組んだお陰でなんとか飢え死にせずに済みました。
そして今度は結構ガタイが良くなります。

自分より先に居た筈の仲間は、一人また一人と減っていく。
成長して、生活の糧を見つけて去っていく者もいるけれど、
彼らの生活は、スリや泥棒等の非合法なもので成り立っていて、
だからこそ敵国内の兵士なんかに捕まる者の方が多くて。
テオは彼なりに、仲間を護らなければ、と思うようになっていきます。
頭が良い訳でもなく、かと言ってリーダーシップを取ってみんなをまとめる力がある訳でもなく。
出来る事は、大きい身体を生かして物理的に彼らを「護る」こと。
気付けばテオは、強さを追い求めるようになっていました。

それからしばらくして、テオが10代後半になった頃。
スラム街の子供の中にやたら腕の立つ奴がいる、という噂が立ちます。
スリや泥棒をしているだけの無力な集団だった筈が、
通報を受け駆けつけた地方下級騎士を返り討ちにするような事態になったのです。

そしてスラム街にやって来たのが、
不法滞在・窃盗・暴行を繰り返す者を捕縛することを目的とした騎士の小隊。
下級の騎士ならともかく、本国の小隊相手では敵う筈もありません。
テオは見事にとっ捕まってしまいました。
唯一の救いは、騎士の小隊が「普通の子供」に手を出さなかった事。

とっ捕まった後。
テオは、王国での諜報活動をしないかと話を持ちかけられます。
国からすれば、そこそこ腕は立ち国の内情を知らず戸籍はない、使い勝手のいい駒。
テオからすれば、前から危ないと言えば危なかったし（度合いの違いはあまり分かっていない）、
衣食住の保障があり更に報酬も高いのなら、悪くない条件。
それは、彼が無学だからそう思ってしまったのもあれば、
他国への好奇心というしょうもないものに負けたのもある結論。

そんな経緯を経て、テオドールは王国に密偵として通うようになりました。
入ったお金は、スラム街で暮らす仲間達に。
彼らも今では、そのお金を元手に細々とですが、
まっとうな暮らしが出来るようになってきているようです。






（※此処からちょっと痛い話）


何故、今テオがコハクの言う事を聞いているのか。
別に人質を取られているわけでもないのだから、陰兎に近づかず逃げ続けていれば
二重スパイなんてする必要はない筈なのに。

結論から言えば、『逆らうと言う選択肢が出てこないから』。

テオは、上を読んでいれば分かる通り結構頭弱いです。
好奇心とかの本能的な事で動きがち。
そんなテオに絶対の恐怖を受け付けたのが、コハク。

捕まえてから、特に縛るでも食を断つでもなくただ広いだけの部屋に連れてこられて。
拷問されるのかな嫌だなぁとか思っていたら、目の前にコハクが現れる。
まさかこれが団長とも思わなくて、疑問符を浮かべる。
戦えってことか？なんで？
とりあえず構えたけれど。

何が起きたのか分からないうちに、痛みだけが襲ってくるような感覚。

特別に、物凄く速い訳じゃなくて。
それでも対応できない。
傷を付けるどころか、攻撃をするどころか、受け身を取ることも出来ない。

圧倒的な力の差。

恐怖で動けなくなって。
気付けば、どうしたら体が動くのか分からないほどになっていて。
痛みも麻痺しているのにそれでも拷問として成り立つのは、全ては恐怖心に繋がるから。

絶対に敵わない。
敵う筈がない。
怖い。
怖い。
こわい。
しにたくない。
こわい。

それだけに支配されて、本能的にコハクに逆らえなくなるところまで持って行かれる。
それが、コハクにおける「拷問」。
心を折る為の『作業』。

最終的に、コハクに対する恐怖心を『陰兎全体が怖い』という恐怖心にすりかえれば、
それで完了。
人質も、弱みも形あるものは何もない。
けれど、何より強力な束縛。

だからテオは、コハクと陰兎に逆らえないのです。

（ここまで）




テオ「……もしもこれ（二重スパイ）がバレたらどーすりゃいいんですかねー？」
コハク「その後自力で此処までこれたら使ってやらぁ…陰兎騎士団員としてな（笑」

この会話が、心のどっかで支えになっている事をテオは気付いてない。
コハクは結構本気だったりする。